歯科治療中に気分が悪くなるのはなぜ?理由と対策
投稿日:2025年5月15日
カテゴリ:歯科麻酔認定医・珠央先生のブログ
1. 治療中に気分が悪くなる人は意外と多い
1-1. 「歯医者=怖い」と感じる人は珍しくない
「歯医者が怖い」「緊張してしまう」という不安は、年齢や性別に関係なく多くの人が抱いています。実際に治療中に心拍数が上がったり、冷や汗が出たり、めまいや吐き気を感じる方も少なくありません。歯科治療に対する不安や恐怖心は、身体にも影響を及ぼすのです。
1-2. 自分だけだと思っていませんか?
「こんなことで気分が悪くなるなんて、自分だけかも…」と感じてしまうかもしれませんが、同じような体験をされている患者さんは多数います。歯医者に通うこと自体がハードルになるケースもあり、それは決して「弱さ」ではなく、自然な反応といえます。
2. 原因のひとつ「血管迷走神経反射」とは?
2-1. 血圧が急に下がって気分が悪くなる仕組み
治療中や麻酔の直後などに、ふわっとする・目の前が暗くなる・吐き気がするなどの症状が起きた場合、それは「血管迷走神経反射(けっかんめいそうしんけいはんしゃ)」の可能性があります。これは強い緊張や痛み、不安などが引き金となって自律神経が乱れ、血圧や心拍数が急激に下がる現象です。
2-2. 特に起こりやすいタイミングとは?
血管迷走神経反射は、以下のようなタイミングで起こりやすくなります:
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麻酔の針を刺す瞬間
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長時間口を開けているとき
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治療台に急に寝かされたとき
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強い恐怖心を感じたとき
特に、過去に気分が悪くなった経験がある人は、同じ状況で再発しやすくなります。
2-3. 命に関わるものではないが対処が必要
血管迷走神経反射は一時的なもので、通常は安静にしていれば数分で回復しますが、突然の症状に不安を感じる方も多いため、事前の申告や適切な対応がとても重要です。
3. 歯科治療で気分が悪くならないための対策
3-1. 事前に「不安がある」ことを伝える
歯科医院では、不安や恐怖心のある方への配慮を行っています。過去に治療中に気分が悪くなった経験がある場合は、初診時や診療前に遠慮なく伝えてください。スタッフが治療中の姿勢や声かけ、ペース配分などを調整してくれます。
3-2. 鎮静麻酔でリラックスした状態で治療を
強い恐怖や緊張がある方には、「リラックス睡眠麻酔(静脈内鎮静法)」がおすすめです。点滴から鎮静薬を投与し、意識はあるものの眠っているような状態で治療を受けられる方法で、緊張や不安が大きく軽減されます。心身の負担が少ない治療法として注目されています。
3-3. 気分が悪くなったときは遠慮なく伝えて
治療中に違和感や気分の変化を感じたら、我慢せずにすぐにスタッフに伝えてください。「中断して申し訳ない」と思う必要はありません。安心・安全な治療のためには、患者さんからの情報がとても大切です。
4. 歯科医院選びのポイント
4-1. 患者の気持ちに寄り添う医院を選ぶ
医療技術だけでなく、患者さんの心理面に配慮できる歯医者を選ぶことが、安心して通える大きなポイントになります。ホームページや口コミで「丁寧な説明」「やさしい対応」といった評価がある医院を参考にしましょう。
4-2. 初回は診察と相談だけでもOK
「いきなり治療は怖い」という方は、まずは相談だけの来院をおすすめします。不安に思っていることを率直に伝えることで、患者さんに合わせた無理のない治療計画を提案してもらえるはずです。
スター歯科クリニック西宮北口駅前院には歯科麻酔認定医も在籍しておりますので、歯科治療に対して不安や恐怖心のある方は是非一度ご相談にいらしてください。
5. 不安や恐怖があっても大丈夫。あなたに合った歯医者が見つかります
歯医者に行きたくても「不安」や「恐怖心」が強く、治療中に気分が悪くなった経験があると、足が遠のいてしまいがちです。しかし、そうした反応は血管迷走神経反射という生理的な反応であり、誰にでも起こりうるものです。
大切なのは、自分の状態をしっかり伝え、対応してくれる歯医者を選ぶこと。鎮静麻酔をはじめとする医療技術や、患者の気持ちに寄り添う診療体制が整っている医院なら、安心して治療を受けられる環境が整っています。
「不安があるからこそ、ちゃんと相談できる」――そんな歯科医院を探して、第一歩を踏み出してみましょう。
この記事の編集者は歯科麻酔認定医・歯科医師の生野珠央です
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