甘い物を食べても虫歯にならない人は何が違う?「食べ方」のルールと唾液の秘密【歯科医が解説】
投稿日:2026年2月4日
カテゴリ:未分類

「甘い物を食べると虫歯になる」と分かっていても、完全に断つのは難しいものです。仕事の合間のチョコレートや、食後のデザートは心の栄養でもありますよね。
しかし、不思議に思ったことはありませんか? 同じようにスイーツを楽しんでいても、いつまでも虫歯ゼロの人もいれば、すぐに削ることになってしまう人もいます。その違いは一体どこにあるのでしょうか。
実は、虫歯の原因は「食べた量」だけではありません。「食べ方」のクセや、その人が生まれつき持っている「唾液の力」が大きく関係しているのです。
今回は、西宮北口エリアで予防歯科に力を入れる当院が、甘い物を諦めずに歯を守るための「科学的に正しい食べ方のルール」と、意外と知られていない「唾液の秘密」について解説します。
1. 甘い物を食べると、なぜ歯に穴が開くのか?
まずは敵を知ることから始めましょう。なぜ、甘い物が歯を溶かす原因になるのでしょうか。
私たちの口の中には、数多くの細菌が住んでいます。その中でも「ミュータンス菌」と呼ばれる虫歯菌は、糖分が大好物です。私たちが甘い物を食べると、ミュータンス菌はその糖分を取り込み、分解して「酸」を作り出します。
この酸が、歯の表面にある硬いエナメル質を溶かし始めます。これを専門用語で「脱灰(だっかい)」と呼びます。
溶けても戻る?「再石灰化」の働き
通常、脱灰が起きてもすぐに穴が開くわけではありません。私たちの「唾液」には、酸を中和して、溶けかけた歯の表面を修復する成分(カルシウムやリン)が含まれています。これを「再石灰化(さいせっかいか)」と言います。
口の中では、食事のたびに「脱灰(溶ける)」と「再石灰化(修復する)」が綱引きのように行われています。このバランスが崩れ、修復が追いつかなくなった時に初めて、歯に穴が開き「虫歯」となってしまうのです。
2. 重要なのは「量」よりも「頻度」。魔の「だらだら食べ」
「甘い物を食べる量が多い人ほど虫歯になりやすい」と思われがちですが、実は量よりももっと危険な要素があります。それが「食べる頻度」と「時間」です。
「ステファンカーブ」が教える真実
歯科の世界には「ステファンカーブ」という有名なグラフがあります。これは、食事をした後の口の中のpH(酸性・アルカリ性の度合い)の変化を表したものです。
通常、口の中は中性(pH7付近)に保たれていますが、甘い物を食べて数分後には急激に酸性に傾き、歯が溶け始めます(脱灰)。その後、唾液の働きによって20分〜40分ほどかけてゆっくりと中性に戻っていきます(再石灰化)。
危険な食べ方 vs 安全な食べ方
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危険な食べ方(だらだら食べ) デスクワーク中にアメを舐め続けたり、甘いカフェオレをちびちび飲み続けたりすると、口の中が常に酸性の状態になります。唾液が中性に戻そうとする暇がないため、歯は溶け続ける一方となり、虫歯リスクが劇的に高まります。
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安全な食べ方(まとめ食べ) 同じ量の糖分を摂るなら、一度にまとめて食べてしまう方が歯にとっては安全です。食後のデザートとして食べる、あるいはおやつの時間を決めてスパッと食べ終えることで、その後の「再石灰化」の時間を十分に確保できるからです。
3. 虫歯になりやすいお菓子・なりにくいお菓子
すべてのお菓子が同じように悪いわけではありません。虫歯リスクを分けるポイントは、「糖分の量」だけでなく「口の中に留まる時間」と「粘着性」にあります。
リスクが高いお菓子(要注意)
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キャラメル・ソフトキャンディ 歯にくっつきやすく、唾液で洗い流されにくい最強の敵です。歯の溝に入り込むと長時間そこから酸が出続けることになります。
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アメ・のど飴 長時間口の中に入れているため、お口の中をずっと酸性状態にしてしまいます。噛まずに舐める習慣がある方は特に注意が必要です。
比較的リスクが低いお菓子
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ゼリー・プリン・アイスクリーム 糖分は含んでいますが、口の中をすぐに通り過ぎていくため、歯にくっつく時間が短く、リスクは比較的低めです。
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おせんべい・クラッカー 糖分が少なく、噛む回数が増えて唾液が出やすいためおすすめです(ただし、詰まりやすいものは注意)。
もちろん、「リスクが低い=いくら食べても良い」わけではありませんが、日常的に選ぶお菓子の種類を変えるだけでも、歯を守る効果は期待できます。
4. 「私だけ虫歯になりやすい気がする…」その正体は唾液の質?
「兄弟で同じおやつを食べているのに、なぜか私だけ虫歯になる」 「毎日歯磨きしているのに、すぐ虫歯が見つかる」
そんな経験はありませんか? それは、あなたの「磨き方」が悪いのではなく、生まれ持った「唾液の質」に原因があるかもしれません。
唾液が持つ3つの防御力
唾液には、単に口を湿らせるだけでなく、虫歯から歯を守る重要な機能が備わっています。
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洗浄作用:食べかすや菌を洗い流す。
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緩衝能(かんしょうのう):酸性に傾いた口の中を中性に戻す力。
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抗菌作用:菌の増殖を抑える。
特に重要なのが2つ目の「緩衝能(中和する力)」です。この力が強い人は、甘い物を食べてもすぐに口の中が中性に戻りやすいため、虫歯になりにくいのです。逆に、この力が弱い人は、少しの糖分でも長時間酸性の状態が続き、虫歯のリスクが高くなってしまいます。
これは体質のようなもので、見た目では分かりません。だからこそ、自分の唾液の能力を知っておくことが大切なのです。
5. たった5分でリスクを見える化!唾液検査「SiLL-Ha(シルハ)」
「自分の唾液は強いのか、弱いのか?」 これを知るために、西宮北口スター歯科では**唾液検査システム「SiLL-Ha(シルハ)」**を導入しています 。
検査はとても簡単です
検査と言っても、痛いことや難しいことは一切ありません。 専用の洗口液で10秒間口をすすぐだけ。それを専用の機器にかけると、わずか5分で結果が出ます 。
分かること(リスクの見える化)
検査結果は分かりやすいグラフ付きのレポートでお渡しします。
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虫歯菌の数:お口の中にどれくらい菌がいるか
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酸性度:どれくらい酸を作りやすいか
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緩衝能:酸を中和する力がどれくらいあるか
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他にも、歯周病リスク(白血球数)や口臭リスク(アンモニア量)も測定可能です 。
このデータがあれば、「あなたは中和する力が弱いから、食後のケアを人一倍頑張りましょう」や「菌の数が多いから、除菌効果のあるケア用品を使いましょう」といった、あなただけの科学的根拠に基づいた対策を立てることができます 。
やみくもに「甘い物を我慢する」のではなく、自分の弱点を知って効率的に守る。これが当院が提案する予防歯科です。
6. 甘い物を楽しんだ後の「3つのリセット習慣」
自分のリスクを知った上で、それでも甘い物を楽しみたい時に実践してほしい「リセット習慣」をご紹介します。
① すぐに水やお茶を飲む
お菓子を食べた後、すぐに歯磨きができればベストですが、外出先などでは難しいこともあります。そんな時は、水やお茶を飲んで口の中に残った糖分を洗い流しましょう。酸性に傾いた口内を中和する手助けにもなります。
② キシリトールガムを噛む
キシリトールには虫歯菌の活動を抑える効果がありますが、それ以上に「ガムを噛むこと」自体に意味があります。噛むことで唾液の分泌が促進され、唾液の持つ「中和力」と「修復力(再石灰化)」を最大限に引き出すことができるからです。食後5分〜10分程度噛むのがおすすめです。
③ フッ素入り歯磨き粉を使う
フッ素には、溶け出した歯の成分を元に戻す(再石灰化を早める)効果と、歯の質自体を酸に溶けにくいように強化する効果があります。毎日のケアには必ずフッ素入りのものを選びましょう。
7. お子さまのおやつ習慣に悩む親御さんへ
「子供がお菓子を欲しがって困る」「与えすぎていないか心配」という親御さんの声もよく耳にします。 乳歯や生えたばかりの永久歯は、大人の歯に比べて酸に弱く、一度虫歯になると進行が非常に早いのが特徴です。
楽しみながら通える工夫
当院では、お子さまが「歯医者は楽しい場所」と感じられるよう、待合室にTeamLab(チームラボ)の「小人が住まう黒板」を導入したキッズスペースを設置しています 。壁に映し出された小人やシャボン玉に触れて遊ぶことができ、通院自体を楽しみに変える工夫をしています 。
生活スタイルに合わせた指導
また、西宮北口という土地柄、塾に通っているお子さまも多くいらっしゃいます 。塾に行く前の腹ごしらえやおやつをどうするかなど、ライフスタイルに合わせた現実的なアドバイスも行っています。 担当の歯科衛生士が、お子さまの成長とお口の変化を継続的に見守りますので、おやつの悩みもぜひご相談ください 。
8. 万が一虫歯になってしまっても。「削る量」は最小限に
予防をしていても、虫歯になってしまうことはあります。しかし、早期発見できれば「削る量」は最小限で済みます。
痛くない・怖くない治療への配慮
「虫歯治療は痛い」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、当院では痛みを極限まで減らす工夫をしています 。
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表面麻酔:注射の前に歯茎に麻酔を塗り、針を刺す痛みを消します 。
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極細針と電動麻酔器:髪の毛ほどの細い針を使用し、一定の速度で麻酔液を注入することで、圧力による痛みを感じさせません 。
歯を残すための精密治療
もし深く進行してしまっていても、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用した精密治療により、汚染された部分だけを慎重に取り除き、可能な限り神経や歯を残す治療を行います 。 「削って詰めて終わり」ではなく、二度と再発させないための丁寧な治療を心がけています。
9. まとめ:自分の「リスク」を知ることが、甘い物と上手く付き合う第一歩
甘い物は人生の楽しみの一つです。無理にゼロにする必要はありません。 大切なのは、以下の2点を守ることです。
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「だらだら食べ」を避けて、メリハリをつけて食べる。
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自分の「唾液のリスク」を知り、自分に合ったケアを行う。
「なぜ自分だけ虫歯になるのか?」と悩んでいる方は、一度当院で唾液検査(SiLL-Ha)を受けてみませんか? たった5分で、あなたのお口の真実が見えてきます。
西宮北口スター歯科では、担当の歯科衛生士があなたの良きパートナーとして、甘い物と上手く付き合いながら一生ご自身の歯で過ごせるようサポートいたします。 まずは検診で、お気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)

ここでは、患者さまからよくいただく疑問について、院長の生野がお答えします。
Q1. 唾液検査(SiLL-Ha)は子供でも受けられますか? A. はい、もちろん受けられますよ。 洗口液を口に含んで10秒間「クチュクチュ」とすすぐことができれば、小さなお子さまでも検査可能です。これからの虫歯予防プランを立てる上で非常に役立つので、むしろお子さまにこそ受けていただきたい検査です。
Q2. 虫歯になりにくいチョコレートがあると聞いたのですが? A. はい、キシリトール100%のチョコレートなどが販売されています。 砂糖の代わりにキシリトールという天然甘味料を使っているので、食べても虫歯菌が酸を作りません。当院の受付でも取り扱っていることがありますので、気になる方はスタッフまでお声がけください。「歯磨き後のご褒美」として食べられるものもありますよ。
Q3. 治療の麻酔が怖いのですが、本当に痛くないですか?
A. 私たちは「痛くない治療」に徹底的にこだわっています 。 いきなり注射をするのではなく、まずは塗り薬の麻酔(表面麻酔)を効かせてから、極細の針と電動麻酔器を使って優しく行います 。多くの患者さまから「いつ注射したのか分からなかった」と驚かれることも多いので、安心してくださいね。
Q4. 毎日歯磨きしているのに虫歯になるのはなぜですか?A. 記事でも触れましたが、「唾液の質」や「歯並び」、「食習慣(間食の頻度)」などが複雑に関係しているからです。 歯磨きだけでは落としきれない汚れ(バイオフィルム)もあります。当院では「エアフロー」という微粒子パウダーを使ったクリーニングで、歯ブラシでは取れない汚れを一掃し、虫歯リスクを下げることができます 。
Q5. 西宮北口駅からのアクセスを教えてください。
A. 当院は阪急「西宮北口駅」の構内(北改札を出て北西口すぐ)にあります 。 駅直結なので雨の日でも濡れずに通えますし、医院の目の前にはタクシー乗り場もあります 。お仕事帰りや、お買い物のついでにも通いやすい立地ですので、気軽にお立ち寄りください。
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