インプラントの成功は検査で決まる?
投稿日:2026年2月20日
カテゴリ:インプラント
執筆担当:国際口腔インプラント学会認定医 生野智也

「インプラント治療を受けたいけれど、手術が怖い」「失敗して後悔したくない」
そのような不安を感じていませんか?
インプラントは外科手術を伴う治療である以上、安全性への懸念を持つのは当然のことです。しかし、安全なインプラント治療を行うために最も重要なのは、実は手術当日の執刀医の腕前以前に、「事前の精密検査」にあることをご存知でしょうか。
顎の骨の状態や神経の位置、さらには全身の健康状態を正確に把握せずに手術を行うことは、いわば「地図を持たずに航海に出る」ようなものです。どれほど優れた船長でも、見えない暗礁を避けることはできません。
本記事では、インプラント治療の失敗リスクを極限まで減らすために、西宮北口歯医者スター歯科ではどのような検査を行い、その結果をどう治療に活かしているのかを解説します。
当院独自の取り組みである「サージカルガイド使用」や「歯科麻酔認定医による全身管理」についても詳しくご紹介しますので、医院選びの参考にしていただければ幸いです。
1. なぜインプラント治療に「精密検査」が絶対に必要なのか?

インプラント治療における事前検査は、単に「インプラントを埋める骨があるかどうか」を確認するためだけのものではありません。最も重要な目的は、「将来にわたって長く使える状態を作ること」と「重大な事故(神経損傷や血管損傷)を未然に防ぐこと」にあります。
人間の顎の骨の中には、太い神経や血管が走行しており、上顎の奥には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞が存在します。これらは外から肉眼で見ることはできません。もし、検査が不十分なまま「勘」や「経験」だけでドリルを入れてしまえば、神経を傷つけて麻痺が残ったり、インプラントが突き抜けて感染を起こしたりするリスクが跳ね上がります。
見落としが招く「数年後のトラブル」
また、手術自体のリスクだけでなく、長期的な予後も検査に左右されます。 噛み合わせのバランスや歯周病の進行度合いを見落としたまま治療を進めると、せっかく埋入したインプラントに過度な負担がかかり、数年で「インプラント周囲炎」になって抜け落ちてしまう可能性があります。
「検査なんて面倒くさい」「早く歯を入れてほしい」と思われるかもしれませんが、「急がば回れ」です。徹底した検査こそが、安全で長持ちするインプラント治療の唯一の担保となるのです。
2. 【必須】当院が実施するインプラント治療前の主な検査項目

当院では、一般的な歯科医院で行われる検査に加え、インプラント治療を成功させるためのより詳細な項目を標準で実施しています。一人の患者様に対し、多角的な視点からリスクを洗い出します。
問診(既往歴・服薬状況の確認)
まず最初に行うのが、患者様の全身状態の把握です。糖尿病や高血圧、骨粗鬆症などの全身疾患は、インプラントの手術リスクや傷の治りに大きく影響します。 また、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬など)や、骨粗鬆症の薬(ビスホスホネート製剤)を服用されている場合は、休薬の相談や治療法の変更が必要になることもあります。当院には歯科麻酔認定医が常駐しており、医学的な見地から詳細なチェックを行います。
口腔内検査・歯周病検査
インプラントを支えるのは骨ですが、その周囲の歯茎の健康も重要です。歯周病菌がお口の中に多く残っている状態で手術を行うと、術後の感染リスクが高まります。
- 残存歯の状態: 他の歯がどれくらい持ちそうか
- 噛み合わせ: 強く当たっている箇所はないか
- 歯ぎしり・食いしばり: インプラント破損のリスク因子はないか これらを総合的にチェックし、必要であれば先に歯周病治療やクリーニングを行います。
レントゲン・CT検査
顎全体の骨の量やバランスを見るためにパノラマレントゲンを撮影します。しかし、これだけでは平面(2次元)の情報しか得られないため、当院では必ず次項で解説する「歯科用CT」による精密撮影を行います。
3. レントゲンだけでは不十分!「歯科用CT」による3次元診断

従来のレントゲン(パノラマ)は、あくまで影絵のような平面画像です。骨の高さはある程度分かりますが、「骨の厚み(幅)」や「奥行き」、そして「神経・血管の正確な走行位置」までは正確に把握できません。 西宮北口歯医者スター歯科では、インプラント治療を行う全症例で「歯科用CT」の撮影を必須としています。
CT撮影で判明する3つの重要情報
CT撮影を行うことで、顎の骨を3次元(立体)で輪切りにして確認することができます。
- 神経・血管の回避: ミリ単位で位置を特定できるため、神経損傷による麻痺や大量出血のリスクを回避できます。
- 骨の質の診断: 骨の硬さや密度まで分かるため、どの位置に埋入すればしっかりと固定されるかを予測できます。
- 最適なサイズの選定: 骨の幅に合わせて、最適な太さ・長さのインプラント体を選定できます。
CTデータと連動した「サージカルガイド」の活用
当院のインプラント治療の最大の特徴の一つが、「サージカルガイド(ガイデッドサージェリー)」をほぼ全てのケースで使用している点です。
サージカルガイドとは、CTデータを専用のシミュレーションソフトに取り込み、「この位置、この角度、この深さに埋入するのがベスト」という計画を立てた上で作成する、手術用マウスピース(ガイド)のことです。
手術時には、このガイドをお口に装着し、ガイドの穴に沿ってドリルを進めます。
- 計画通りの位置に埋入: コンピュータ上で設計した位置に、ズレなく正確にインプラントを埋入できます。
- 人為的ミスの排除: 歯科医師の手元のブレや、感覚のズレを物理的に防ぎます。「神業」に頼るのではなく、「科学的根拠」に基づいた手術を実現します。
- 低侵襲: 最小限の切開で済むため、術後の腫れや痛みを軽減し、手術時間も短縮できます。
多くの医院ではオプション扱い(別途費用)となることが多いですが、当院では安全性を最優先するため、これを標準的なプロトコルとして採用しています。
4. お口の中だけじゃない!「歯科麻酔認定医」による全身状態のチェック

インプラントは外科手術ですから、お口の中だけでなく「全身の健康状態」が手術に耐えられるかどうかの判断が極めて重要です。 一般的な歯科医院では、歯科医師が兼任で判断することが多いですが、西宮北口歯医者スター歯科には「日本歯科麻酔学会認定医」である生野珠央医師が常駐しています。
全身管理のスペシャリストによる監視
歯科麻酔認定医は、全身管理のプロフェッショナルです。手術中は生体モニターを使用し、血圧、脈拍、血中酸素飽和度、心電図などをリアルタイムで監視します。 高血圧や心疾患などの持病をお持ちの方や、ご高齢の方であっても、麻酔医が常に全身状態をコントロールすることで、安全に手術を受けていただける体制を整えています。
静脈内鎮静法(リラックス麻酔)の適応判断
検査・カウンセリングの段階で、「歯科治療が怖い」「嘔吐反射(オエッとなる)が強い」といったお悩みがある場合、麻酔医の診断のもと「静脈内鎮静法(リラックス睡眠麻酔)」をご提案します。
これは、点滴で鎮静薬を投与し、半分眠ったような「うたた寝状態」を作る麻酔法です。意識はありますが、恐怖心や不安感が薄れ、時間の経過もあっという間に感じられます(健忘効果)。 この麻酔法は、事前に麻酔医による詳細な問診と全身チェックを行い、安全性を確認した上で実施されます。手術に対するストレスを極限まで減らすための、当院の重要なオプションの一つです。
5.検査から診断結果が出るまでの流れ

当院へご来院いただいてから、インプラントの診断結果が出るまでの流れは以下の通りです。一つひとつのステップを丁寧に行い、納得いただいてから治療へ進みます。
Step 1:初診・カウンセリング
まずはトリートメントコーディネーター(TC)が、患者様のお悩みやご希望、不安な点などを丁寧にヒアリングします。「どんな治療になるのか」「費用はどれくらいか」「期間は?」など、医師には直接聞きにくいことも遠慮なくご相談ください。
Step 2:各種精密検査
歯科用CT撮影、口腔内スキャナー(iTeroなど)による型取り、お口の写真撮影、歯周病検査などを行います。痛みのある検査はありませんのでご安心ください。
Step 3:診断・治療計画の説明(コンサルテーション)
検査データを分析し、患者様一人ひとりに最適な治療計画(インプラントの本数、埋入位置、使用するメーカー、期間、費用など)を立案します。 当院では、撮影したCT画像やシミュレーション結果をモニターでお見せしながら、「なぜこの治療が必要なのか」「リスクは何か」を視覚的に分かりやすくご説明します。 トリートメントコーディネーターが同席し、費用の内訳や支払い方法(デンタルローン等)についても納得いくまでご相談いただけます。
6. 検査の結果「インプラントが難しい」と言われたら?

精密検査を行った結果、「顎の骨が薄くてインプラントが埋められない」と診断されるケースもゼロではありません。他院でそのように言われ、治療を諦めてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、西宮北口歯医者スター歯科では、骨が不足している難症例に対しても、高度な再生療法を用いて対応できる可能性があります。
GBR(骨誘導再生法): 骨の幅が足りない部分に、人工骨や自家骨を補って再生させます。
サイナスリフト・ソケットリフト: 上顎の骨の高さ(厚み)が足りない場合に、鼻の横にある空洞(上顎洞)を持ち上げて骨を作るスペースを確保します。当院では「Densah Bur(デンサーバー)」を用いた低侵襲な手法も採用しています。
ショートインプラント: 骨造成を避けるために、あえて短いけれど強度の高いインプラント(ストローマンBLXなど)を選択し、神経を傷つけずに治療する選択肢もあります。
「骨がないから無理」と即断せず、CTデータに基づいた科学的なシミュレーションを行うことで、安全に治療できる道筋が見つかることは多々あります。まずは一度、当院の精密診断を受けてみてください。
7. まとめ:インプラントの成功は「準備」で9割決まります

インプラント治療は、手術当日の技術もさることながら、事前の「精密検査」と「計画」が成功の9割を握っていると言っても過言ではありません。見切り発車の手術は、事故や早期脱落のリスクを高めるだけです。
西宮北口歯医者スター歯科では、以下の「3つの安全基準」を徹底しています。
全症例でのCT撮影による3次元診断
サージカルガイドによる正確無比な埋入
歯科麻酔認定医による徹底した全身管理
患者様の「安全」と「将来の健康」を守るための準備に、私たちは一切の妥協をしません。
「自分の骨の状態を知りたい」「他院で断られたけれど諦めきれない」
そんな方は、ぜひ当院のカウンセリングにお越しください。正確な地図(検査結果)を手に入れ、一緒にゴール(噛める喜び)を目指しましょう。
よくある質問(Q&A)

Q1. CT撮影などの検査に痛みはありますか?
いいえ、痛みはありません。CT撮影は立ったまま(または座ったまま)数十秒で終わりますし、口腔内スキャナーも小型のカメラをお口に入れるだけですので、従来の粘土のような型取りのような不快感はほとんどありません。リラックスして受けていただけます。
Q2. 他院で「骨がない」と断られましたが、診てもらえますか?
はい、ぜひご相談ください。当院では「GBR」や「サイナスリフト」といった骨を増やす治療や、骨のある部分を選んで埋入する「オールオン4」など、難症例に対応できる技術と設備が整っています。CTで精密に診断し、骨造成が必要か、ショートインプラントで対応可能かなど、最適なプランをご提案します。
Q3. 持病(高血圧・糖尿病)がありますが、インプラントは可能ですか?
基本的には可能ですが、事前のコントロールが重要です。当院には日本歯科麻酔学会認定医が常駐しており、内科的な観点から全身状態をチェックします。お薬手帳をお持ちいただき、リスクを管理しながら、必要であれば生体モニター監視下で安全に手術を行えるよう計画します。
Q4. 検査当日にすぐ手術を受けることはできますか?
基本的には行っておりません。インプラントは安全性が何より重要ですので、まずは検査データを詳細に分析し、オーダーメイドのサージカルガイド(手術用マウスピース)を作製する期間をいただいています。しっかり準備をしてから手術に臨むことが、結果として長持ちする秘訣です。 ※オールオン4など、事前の準備を入念に行った上で、手術当日に仮歯まで入れる治療は可能です。
Q5. 検査費用はどれくらいかかりますか?
インプラントの相談・検査(CT撮影含む)に関する費用については、初診時にお気軽にお問い合わせください。当院では、治療を始める前に総額のお見積もりを提示し、ご納得いただいてからスタートする明朗会計を心がけています。保険適用外の治療だからこそ、費用面の不安も最初に解消できるよう、丁寧にご説明します。
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