【確認】吸盤のような吸着力を実現するフレンジテクニックによる入れ歯症例
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吸盤のような吸着力を実現するフレンジテクニックによる入れ歯症例
「どこに行っても入れ歯が合わない」「ご飯がまともに食べられない」そんなお悩みを抱え、複数の歯科医院を受診された末に当院へ来院された92歳の女性の患者さまです。
これまで義歯の修理を繰り返されてきた結果、つぎはぎのような状態となり、外れやすく浮き上がるなど、日常生活にも支障をきたしていました。
入れ歯を外した状態
お口の中を拝見すると、長年の無歯顎の状態により歯茎(顎堤)が大きく痩せており、入れ歯を安定させるための「土手」がほとんど残っていない状態でした。
これまで複数の歯科医院で治療を受けられてきましたが、通常の型取りで義歯を作製しても十分な吸着が得られない状況が続いていました。そのため今回は、一般的な印象法(型取り)ではなく、フレンジテクニックという精密な手法を選択しました。
シリコンを使用した精密な型取り
まずは、患者さまの口腔内に適したオーダーメイドのトレーを作製します。その後、精密なシリコン印象を行い、義歯の作製を進めていきます。
咬み合わせの高さや位置を決定
蝋(ろう)を用いて咬み合わせの高さや位置を決定します。この作業次第で出来上がった義歯の安定感や噛みやすさなどが変わるため時間をかけて行います。
フレンジテクニックについて
フレンジ(fringe=辺縁)テクニックとは、義歯の“フチ”の形を、患者さまの唇・頬・舌の動きに合わせて精密に記録する技法です。入れ歯が外れる大きな原因のひとつは、義歯の辺縁封鎖(ボーダーシール)が不十分で、空気が入り込んでしまうことにあります。
フレンジテクニックでは、患者さまに実際にお口を動かしていただきながら辺縁の形態を筋肉の動きに調和させるため、まるで吸盤のように粘膜に密着する封鎖が実現します。
顎堤が痩せて通常の吸着が困難なケースでこそ、この辺縁封鎖の精度がものを言います。逆に言えば、「どこで作っても外れる」という方こそ、フレンジテクニックによって劇的に改善する可能性があるのです。
なぜ今回、この手法を選択したのか?
この患者さまの場合、上下ともに顎堤の吸収が著しく、従来の方法では義歯の維持力を確保できないことが明らかでした。
複数の医院で改善しなかったという経緯からも、型取りの段階から根本的にアプローチを変える必要がありました。
フレンジテクニックを上下顎の両方に適用し、辺縁封鎖を一つひとつ丁寧に作り込むことで、痩せた歯茎でも義歯がしっかり安定する設計を目指しました。
仮義歯の作製
上記の手順を踏んだうえで仮の義歯を作成します。その義歯をしばらく使用していただき、咬み合わせや使用感が問題ないことを確認していただきました。
最終義歯の型取り・コピーデンチャーの作製
仮の義歯に問題がないことを確認したうえで、コピーデンチャーを作製して最終義歯の型取りを行います。
全体的に歯を並べて歯の位置や咬み合わせの関係を最終確認します。この作業が問題なければ最終義歯の作成に移ります。
完成した最終義歯
完成した最終義歯です。金属床で作製することで強度が高く、飲食物の温度が伝わりやすいメリットがあります。
治療完了
「くっつきすぎて外せない」という嬉しい悲鳴
完成した義歯を装着していただいたところ、「今までとは全然違う」と驚かれていました。それまでご飯がまともに食べられなかった方が、「何でも噛める」「食べられないものがなくなった」と笑顔で報告してくださいました。
むしろ「くっつきすぎて外すのが大変なくらい」とおっしゃるほどの吸着力で、入れ歯の安定に長年悩まれてきた患者さまにとって、まさに"食べる喜び"を取り戻す結果となりました。
「もう歳だから仕方ない」「入れ歯が合わないのは当たり前」そう諦めてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。精密な技術と、最後まで諦めない姿勢で、お一人おひとりのお口に合った義歯をお作りします。
| 年齢・性別 | 90代 女性 |
|---|---|
| 治療期間 | 4ヵ月 |
| 治療回数 | 9回 |
| 治療費 | 770,000円(税込) |
| リスク・注意点 | ・義歯の安定には個人差があります。 |











