静脈内鎮静の体験談まとめ|治療前の不安から終了後まで正直レビュー
投稿日:2026年1月25日
カテゴリ:短期集中治療 歯科麻酔認定医・珠央先生のブログ

この記事はスター歯科クリニック西宮北口駅前院の歯科医師:生野珠央が執筆しています。
「静脈内鎮静って、実際にはどんな感覚なんですか?」「本当に怖くないのでしょうか?」
歯科治療を前に、こうした不安や疑問を抱く患者さんは少なくありません。特に、過去に痛みや恐怖を経験したことがある方ほど、治療へのハードルは高くなりがちです。
この記事では、静脈内鎮静を受けた患者さんから寄せられた体験談をもとに、治療前の不安、鎮静が効いてくる感覚、治療中・治療後の様子を第三者の視点で整理しています。
実際の声を踏まえてまとめているため、「自分が受けたらどう感じるのか」を具体的にイメージしやすく、静脈内鎮静に対する不安を和らげる内容になっています。
静脈内鎮静とは?歯科治療で使われる理由と特徴
静脈内鎮静とは、点滴によって鎮静作用のある薬を体内に投与し、リラックスした状態で歯科治療を受けられる方法です。患者さんからは「緊張せずに治療を受けられた」「怖さを感じにくかった」といった声が多く聞かれます。
この方法は、歯科治療に強い不安や恐怖心がある方、治療時間が長くなるケース、外科的処置を伴う治療などで選ばれることが多いのが特徴です。
完全に眠ってしまうわけではなく、意識がうっすら保たれた状態になるため、安全面にも配慮されています。
静脈内鎮静の基本的な仕組み
静脈内鎮静は、腕などに点滴を行い、鎮静薬をゆっくりと体内に入れていく方法です。体験談では、「点滴の後、だんだん体の力が抜けていった」「気持ちが落ち着いてきた」という感想が多く見られます。
意識は完全にはなくならず、自分で呼吸ができ、医師の声かけにも反応できる状態が保たれます。また、局所麻酔と併用されることが一般的なため、痛みそのものも感じにくくなるとされています。
その結果、「治療中の怖さをほとんど覚えていない」という声につながっています。
局所麻酔や全身麻酔との違い
局所麻酔は、治療部位の痛みを抑える方法ですが、意識ははっきりしているため、音や振動、不安感は残りやすい傾向があります。
一方、全身麻酔は完全に眠った状態になるため、身体への負担や管理体制が大きくなります。
それに対して静脈内鎮静は、身体への負担を抑えながら、精神的な緊張や恐怖を軽減できる点が特徴です。
体験談でも、「全身麻酔ほど大がかりではなく、それでも気持ちはかなり楽だった」という評価が多く見られ、歯科治療に不安を感じる方にとって選びやすい方法といえます。

私の静脈内鎮静体験談(治療前の不安〜治療中〜治療後まで)
静脈内鎮静を選択した患者さんの多くは、「歯が悪くなったから」ではなく、歯科治療そのものへの強い恐怖心を理由に来院されています。
この方の場合、その恐怖の根底には、幼少期の歯科治療でのつらい記憶がありました。
大人になってからも歯科医院のにおいや音を思い出すだけで体がこわばり、「治療を受ける」という行為自体が大きなストレスになっていたそうです。
治療前の不安と準備
患者さんが歯科恐怖心を抱くようになったきっかけは、子どもの頃に受けた歯科治療でした。
当時、治療中に怖くて泣いてしまい、体を動かしたところ、複数の大人に押さえつけられた状態で治療が続けられた経験があったといいます。
「痛い」「やめてほしい」と何度も伝えたものの、治療は中断されず、
そのとき感じたのは痛み以上に、
• 逃げられない
• 声を聞いてもらえない
• 自分の意思が無視されている
という強い恐怖だったそうです。
その体験以降、歯科治療は「我慢しなければならないもの」「怖くても耐えるしかないもの」という認識に変わり、成長してからも定期的な通院ができなくなっていきました。
大人になってからは、「また同じことが起きるのではないか」という不安が先に立ち、治療椅子に座ること自体が難しくなっていたといいます。
今回の治療では、こうした過去の体験を事前に相談し、「無理に我慢させることはしない」「怖さを抑える方法がある」と説明を受けたことで、静脈内鎮静という選択肢を知りました。
点滴から鎮静が効くまでの感覚
治療当日も、処置前までは強い緊張があり、過去の記憶が頭をよぎる場面もあったそうです。
ただ、治療の流れを一つひとつ確認しながら進められ、点滴の際も声かけがあったことで、「押さえつけられるのでは」という恐怖は少しずつ和らいでいきました。
点滴後しばらくすると、体の力が抜けていき、心拍数が落ち着く感覚があり、
「怖いかどうかを考える余裕がなくなっていた」と振り返っています。
過去の治療で感じていた切迫感や緊張とは、明らかに違う状態だったそうです。
治療中の意識と感覚(痛み・記憶)
治療中は、周囲の音や動きが遠くに感じられ、強い恐怖心はほとんどありませんでした。
以前の治療で記憶に残っているような、「体を固めて耐える感覚」や「次に何をされるのか分からない怖さ」は感じなかったといいます。
特に印象的だったのは、
「自分の意思が尊重されていると感じられたこと」
でした。
過去の体験と比べて、同じ“歯科治療”であっても、心理的な負担がまったく違っていたそうです。

健忘効果についての実感
治療後、治療中の細かなやり取りや処置の記憶はほとんど残っていませんでした。
本人は「何かされていたのは分かるけれど、嫌だった場面が思い出せない」と感じたそうです。
この健忘効果によって、治療が“新たなトラウマ”として上書きされなかったことは、大きな安心材料になりました。
「終わったあとに、怖かった記憶が残っていない」という点が、次の治療への心理的ハードルを下げたと話しています。
静脈内鎮静のメリットと気づいたこと
今回の体験を通して、患者さんが強く感じたのは「痛みが少なかった」という点以上に、精神的な負担が大きく軽減されたことでした。
過去の歯科体験がトラウマになっている場合、治療への恐怖は理屈では割り切れません。そのため、治療内容が同じであっても、「どういう状態で受けるか」が非常に重要だと実感したそうです。
ここでは、実際の体験と、他の患者さんからもよく聞かれる声を踏まえながら、静脈内鎮静のメリットを整理します。
不安・恐怖の軽減
最も大きかったメリットは、治療前から感じていた強い恐怖心が、自然と和らいだことでした。
これまでの歯科治療では、診療台に座った時点で体がこわばり、心拍が上がり、「いつ始まるのか」「また怖い思いをするのではないか」と考えてしまっていたそうです。
静脈内鎮静では、鎮静が効いてくるにつれてそうした思考が薄れ、
「怖がっている自分を客観的に見ているような感覚になった」
と話しています。
同じような体験談として、
• 治療前の待ち時間が一番つらかったが、鎮静後は気持ちが落ち着いた
• 恐怖で涙が出ることがなくなった
といった声も多く、恐怖そのものを抑えてくれる点が、静脈内鎮静の大きな特徴といえます。
痛みの感じ方と治療の快適さ
痛みに関しては、「まったく何も感じなかった」というよりも、
「痛みを意識する余裕がなかった」
という表現が近かったそうです。
過去の治療では、わずかな刺激にも身構えてしまい、痛みを必要以上に強く感じていたとのことですが、今回はそのような反応がほとんどありませんでした。
局所麻酔と鎮静が組み合わさることで、身体的な刺激と精神的な緊張の両方が抑えられていたと考えられます。
「我慢しながら耐える治療」ではなく、「気づいたら進んでいた治療」だったことが、快適さにつながったと話しています。
治療時間の感覚と効率
治療時間についても、体感と実際の時間には大きな差がありました。
本人の感覚では、「少し横になっていたら終わっていた」という印象だったそうです。
これまでの歯科治療では、
• まだ終わらないのか
• 次は何をされるのか
と常に時間を意識していたため、実際よりも長く感じていたとのことでした。
静脈内鎮静によってその意識が薄れたことで、長時間の治療でも心理的な負担が少なく、結果的に「治療を最後まで受けきれた」という達成感にもつながっています。

静脈内鎮静の注意点/体験談から学んだこと
静脈内鎮静は、歯科恐怖心が強い方にとって大きな助けになる方法ですが、「何も考えずに受ければいい」というものではないと、患者さんは振り返っています。
実際に体験してみて、「事前に知っておいてよかったこと」「もっと早く知りたかったこと」もいくつかあったそうです。
ここでは、安全に、そして安心して静脈内鎮静を受けるために大切だと感じたポイントを整理します。
事前の準備と相談ポイント
最も重要だと感じたのは、過去の歯科体験や恐怖心を、正直に伝えることでした。
この患者さんも、最初は「こんな昔の話をしてもいいのだろうか」と迷いがあったそうですが、幼少期に押さえつけられた経験や、痛みを訴えても止めてもらえなかった記憶を伝えたことで、治療側の対応が大きく変わったと感じています。
具体的には、
• 無理に我慢させないこと
• 状態をこまめに確認すること
• 怖さが強い場合は鎮静を優先すること
などを事前に共有できたことで、「また同じ思いをするのでは」という不安が和らぎました。
静脈内鎮静を検討する際は、治療内容だけでなく、気持ちの面も含めて相談することが大切だといえます。
治療後の過ごし方と副作用の注意
治療後については、「思っていたより頭がぼんやりする時間があった」と話しています。
強い不快感はなかったものの、ふらつきや眠気が残る可能性があるため、治療当日は予定を入れず、できるだけ安静に過ごすことが勧められました。
また、治療中の記憶が曖昧な状態が続くため、
• 重要な判断をしない
• 車の運転を控える
• 一人で長時間外出しない
といった点にも注意が必要です。
「楽だった反面、体はしっかり休ませる必要がある」と実感したそうです。
向いている人・向かない人
この体験から、静脈内鎮静が特に向いていると感じたのは、
• 幼少期の歯科体験がトラウマになっている人
• 歯科治療を考えるだけで強い不安や緊張が出る人
• 長時間や外科的な治療を控えている人
といったケースです。
一方で、体調や既往歴によっては適応できない場合もあるため、誰にでも必ず使える方法ではありません。
そのため、「怖いから絶対にこれがいい」と決めつけるのではなく、医師と相談したうえで判断することが重要だと感じたそうです。

まとめ(静脈内鎮静で不安を軽くして治療を受けよう)
歯科治療に強い恐怖心を抱いている方の中には、幼少期のつらい体験や、「痛いと言ってもやめてもらえなかった」「押さえつけられて治療された」といった記憶が、今も心に残っている方が少なくありません。
そのような背景があると、歯科治療=我慢するものと感じてしまうのは、ごく自然なことです。
今回ご紹介した静脈内鎮静の体験談からも分かるように、静脈内鎮静は、痛みを抑えるための方法ではありません。
恐怖心や緊張を和らげ、治療中の記憶を必要以上に残さないことで、治療そのものが新たなトラウマになることを防ぐ選択肢でもあります。
当院では、歯科治療に対して強い不安や恐怖心をお持ちの方、歯科恐怖症の傾向がある方にも、できる限り安心して治療を受けていただけるよう、事前のカウンセリングを大切にしています。
過去の治療経験や不安な気持ちを丁寧にお伺いしたうえで、**静脈内鎮静(リラックス麻酔)**を含めた治療方法をご提案しています。
「本当に自分に合っているのか」「どんな感じなのか不安」という段階でも問題ありません。
まずは治療を決める前に、相談・カウンセリングだけでも受けてみてください。
無理に我慢する歯科治療ではなく、不安を軽くしながら進める治療という選択肢があることを知っていただければ幸いです。

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