インプラントCT検査は必須?国際インプラント学会認定医が解説
投稿日:2026年2月18日
カテゴリ:インプラント
執筆担当:国際口腔インプラント学会認定医 生野智也

「インプラントを考えているけれど、手術で失敗したり、神経を傷つけられたりするのが怖い」
「検査はレントゲンだけでは不十分なの?」
インプラント治療を検討される際、このような不安を感じる方は少なくありません。
特に、外科手術を伴うインプラントにおいて「安全性」は最も重要な要素です。その安全性を担保する最大の鍵となるのが、**歯科用CTによる「3次元診断」です。
昔ながらの平面(2次元)のレントゲンだけでの手術は、いわば「目隠し運転」に近いリスクを伴います。現代のインプラント治療において、CT撮影はもはや「オプション」ではなく「必須条件」と言っても過言ではありません。
この記事では、なぜCT検査が絶対に必要なのか、レントゲンとは何が違うのか、そして私たち西宮北口歯医者スター歯科が実践している「CTデータを活用した精密なデジタルインプラント治療」について、専門医の視点から詳しく解説します。
これを読めば、安全な歯科医院を選ぶための「正しい基準」がわかるはずです。
1.インプラント治療で「CT検査」が絶対に必要な理由

歯科医療におけるCT(Computed Tomography)とは、X線を使って身体の内部を輪切りの画像にし、コンピューター処理によって3次元(立体)の情報を得る装置のことです。
インプラントは、骨の中にチタン製のネジ(人工歯根)を埋め込む治療法です。当然ながら、ネジを埋め込むための「骨」の状態を正確に知らなければ、安全な手術は不可能です。
当院では、インプラント治療において全症例で必ずCT撮影を行っています 。それは、以下の決定的な理由があるからです。
パノラマレントゲン(2次元)とCT(3次元)の決定的な違い
これまで歯科医院で一般的だった「パノラマレントゲン」と「CT」には、情報量に天と地ほどの差があります。
パノラマレントゲン(2次元): いわゆる「影絵」です。縦と横の情報しかなく、前後の重なりは平面的に写ります。そのため、骨の厚みや奥行き、複雑な神経の走行などは正確には把握できません 。また、撮影角度によって像が拡大・縮小されてしまう歪みが生じることがあります。
歯科用CT(3次元): 縦・横に加え、「奥行き(厚み)」の情報を持った立体画像です。骨の形、硬さ(骨密度)、神経や血管の正確な位置を、実寸大でミリ単位の精度で把握できます
CTなしの手術に潜む「見切り発車」のリスク
もしCTを撮らずにレントゲンだけで手術を行うと、それは歯科医師の「勘」や「経験」に頼った見切り発車の手術になってしまいます。
「たぶんここに骨があるだろう」
「経験上、この深さなら大丈夫なはずだ」
このような予測だけの手術では、いざ歯茎を切開してみたら骨が足りなかったり、想定外の位置に神経があったりするリスクが排除できません。最悪の場合、手術の中断や、計画の大幅な変更を余儀なくされることもあります 。 確実な根拠(エビデンス)に基づいた治療を行うためには、CTによる可視化が不可欠なのです。
現代のスタンダードは「全症例でのCT撮影」
かつてCTは大学病院など限られた施設にしかありませんでしたが、現在は安全意識の高い歯科医院では標準設備となっています。
「簡単な症例だからレントゲンで十分」ということはありません。一見簡単そうに見えるケースでも、骨の中で血管が特殊な走行をしている場合があるからです。
当院では、どのような症例であっても「勘や経験に頼らない科学的根拠に基づいた手術」を行うため、全症例でのCT撮影を徹底しています 。
2. CTの3次元診断で見えるもの・回避できる3つの重大リスク

では、CTを撮ることで具体的にどのような危険を回避できるのでしょうか。患者さまが最も恐れるトラブルを防ぐためのポイントを3つご紹介します。
1. 神経・血管の損傷による「麻痺・大量出血」の回避
下あごの骨の中には、「下歯槽神経(かしそうしんけい)」という太い神経と血管の束が通っています。 インプラントを埋入する際、ドリルでこの神経を傷つけてしまうと、唇やあごに**永続的な「麻痺(しびれ)」**が残ったり、大量出血を起こしたりする重大な事故につながります 。
この神経の位置や走行は個人差が大きく、レントゲンでは正確な深さがわかりません。CTであれば、神経までの距離をミリ単位で計測できるため、安全な深さで寸止めし、神経損傷のリスクを確実に回避することができます 。
2. インプラントの「突き抜け事故」の回避(上顎洞・鼻腔)
上あごの奥歯の上には、「上顎洞(じょうがくどう/サイナス)」と呼ばれる鼻につながる大きな空洞があります。 骨の厚みを正確に測らずに長いインプラントを埋入すると、この空洞にインプラントが突き抜けてしまい、感染症(重度の蓄膿症)を引き起こすリスクがあります 。
CT診断を行うことで、上顎洞までの骨の厚みが正確に分かります。「骨の高さが5mm未満」といった厳しい状況でも、事前に把握できていれば、「サイナスリフト」などの骨造成を行うことで突き抜け事故を防ぎ、安全にインプラントを埋入することが可能です 。
3. 骨の幅・形状の誤認による「支持不足・早期脱落」の回避
インプラントを長期的に安定させるには、インプラントの周りに十分な骨の厚みが必要です。 当院では**「2mmルール」**を徹底しており、インプラントの周囲(頬側・舌側)にはそれぞれ2mm以上の骨幅が必要であるという基準を設けています 。
しかし、あごの骨は「薄い板」のような形状をしていることが多く、これは正面からのレントゲンでは分かりません。 CTで「骨の幅」を確認し、もし2mmの厚みが確保できない場合は、GBR(骨誘導再生法)などで骨を増やしてから埋入します。これにより、インプラントの一部が骨から露出してしまうことによる結合不全や、早期脱落(抜け落ち)を防ぐことができます 。
3. ただ撮るだけではない!当院が実践する「CT×デジタル技術」の活用法

「CTがある」ことは、現代のインプラント治療においてスタートラインに過ぎません。重要なのは、「そのCTデータをどう解析し、実際の手術にどう反映させるか」です。
西宮北口歯医者スター歯科では、CTデータをフル活用した最新のデジタルワークフローを実践しています。
CTデータと連動した「サージカルガイド」を使用
当院の最大の特徴の一つは、CTデータをもとに設計した**「サージカルガイド(ガイデッドサージェリー)」を使用している点です 。
サージカルガイドとは、ドリルの着地点、角度、深さを完全にコントロールするためのマウスピース型の装置です。
CT上でシミュレーションした「理想的な位置」に、狂いなくインプラントを導くことができます。これにより、以下のようなメリットが生まれます。
ミリ単位の精密さ: 手元のブレや感覚のズレを排除します 。
低侵襲・短時間: 迷いなくドリルを進められるため、手術時間が短縮され、術後の腫れや痛みも大幅に軽減されます 。
他院ではオプション費用がかかることも多いこの技術を、当院では安全性の根幹に関わるものと考え、標準仕様として採用しています 。
口腔内スキャナー・顔貌スキャナーとのデータ統合
私たちは、骨の状態(CT)だけでなく、口の中の歯茎や歯並びの情報(iTero/TRIOSなどの口腔内スキャナー)や、顔全体のバランス(RAYFaceなどの3Dフェイススキャナー)のデータを統合して診断を行っています 。
骨がある場所にただ埋めるのではなく、「最終的に美しく噛める歯が入る位置」や「顔の形に調和する位置」から逆算してインプラントの位置を決定する**「トップダウントリートメント」**が可能になります。これにより、機能的で見た目も美しいインプラントを実現します 。
骨造成(GBR・サイナスリフト)の精密な必要性判断
CT診断の結果、「骨が足りない」と判明した場合でも、私たちは諦めません。CTの数値に基づいて、最適な骨造成(骨を増やす治療)を選択します。
上顎の骨高さが6mm以上ある場合: 「ソケットリフト」を選択し、Densah Bur(デンサーバー)という器具を用いて低侵襲に骨を広げます 。
上顎の骨高さが5mm未満の場合: 「サイナスリフト」を選択し、大きく骨を作ります 。
このように数値基準(エビデンス)に基づいた判断ができるのも、CTによる精密診断があってこそです。「他院で骨がないから無理と断られた」という方でも、CT分析によって治療の道筋が見つかるケースは数多くあります 。
4. 診断の質を高める「専門医」と「設備環境」

どんなに高精細なCT画像があっても、それを正しく読み解く歯科医師の知識と経験がなければ意味がありません。
国際的な学会認定医による「ダブルチェック体制」
当院の院長は、ISOI(国際口腔インプラント学会)の認定医であり、インプラントと矯正の両方に精通しています 。また、若手歯科医師のインプラント症例発表大会で総合優勝の実績を持つ歯科医師も在籍しており、高い診断力を有しています 。
一人の歯科医師の判断だけでなく、各分野のスペシャリストがチームとしてCT画像を解析し、包括的かつ安全な治療計画を立案する「チーム医療」を実践しています 。
被曝量を抑えた最新の歯科用CT機器
当院で導入している歯科用CTは、医科用(全身用)のCTに比べて放射線量が大幅に少なく、身体への負担が最小限に抑えられています。撮影時間も短く、圧迫感の少ない設計になっているため、リラックスして検査を受けていただけます 。
一生涯保証を支える「確実な初期診断」
当院では、インプラント体(フィクスチャー)に「一生涯保証」という異例の保証制度を設けています 。 これが可能なのは、CTによる確実な初期診断を行い、無理のない設計と精密な手術を行っているという絶対的な自信があるからです。最初の診断が正確だからこそ、10年、20年と長持ちするインプラントを提供できるのです 。
5. CT撮影から手術までの流れと費用について

実際に当院にご来院いただいた場合の、検査から治療計画提示までの流れをご説明します。
初診時の検査フロー(カウンセリング・CT撮影)
カウンセリング: まずは専用のカウンセリングルームで、トリートメントコーディネーターがお悩みやご希望を丁寧にお伺いします 。
CT撮影・資料採得: 必要に応じてCT撮影や口腔内スキャンを行います。撮影自体は数分で終わり、痛みもありません 。
診断・説明: 撮影したCT画像をモニターにお出しし、現在の骨の状態、神経の位置などを患者さまと一緒に見ながら、分かりやすくご説明します 。
CT診断に基づく治療計画と費用の提示
CTデータをもとに、「インプラントが可能かどうか」「骨造成が必要か」「何本のインプラントが最適か」を診断し、詳細なお見積もりを作成します。 当院では、サージカルガイドの使用料や、必要であれば静脈内鎮静法(リラックス麻酔)の費用も含めた「総額」を治療開始前にご提示します 。 後から「骨が足りなかったので追加費用がかかります」といった不明瞭な請求は一切行いませんのでご安心ください。
セカンドオピニオンとしてのCT診断
「他院でインプラントを勧められたが不安がある」「骨がないから無理と言われた」という方のセカンドオピニオンも積極的に受け付けています 。 CTで再評価することで、「ショートインプラント」を使えば骨造成なしで治療できたり、「オールオン4」という方法で解決できたりと、別の選択肢が見つかる可能性があります 。
6. まとめ:西宮北口歯医者スター歯科のCT活用

インプラント治療におけるCT検査は、手術の成功と患者さまの安全を守るための「命綱」です。
「レントゲンだけの診断」と「CTによる3次元診断」では、見えている世界が全く異なり、それはそのまま安全性の差に直結します。
西宮北口歯医者スター歯科では、以下の徹底した体制で、科学的根拠に基づいた安全な医療を提供しています。
全症例でのCT撮影: 勘や経験に頼らない診断 。
サージカルガイド使用: CTデータを反映したミリ単位の精密手術 。
専門医チームによる解析: 認定医による多角的な診断と計画立案 。
一生涯保証: 確実な診断に基づく自信の証 。
「自分の骨の状態を詳しく知りたい」「安全性を最優先にインプラントを検討したい」という方は、ぜひ一度、当院の個別相談・カウンセリングにお越しください。
最新の設備と技術で、あなたが一生美味しく食事を楽しめるよう、全力でサポートさせていただきます。
よくある質問(Q&A)

ここでは、インプラントの検査や診断について、患者さまからよくいただくご質問に、院長の生野がお答えします。
Q1. CT撮影の被曝量は心配ありませんか?
- ご安心ください。当院の歯科用CTは、お腹や胸を撮る医科用のCTに比べて、放射線量が約1/10〜1/100程度と非常に低く抑えられています。日常生活で自然に浴びている放射線量と比較しても身体への影響は極めて少なく、安全に撮影していただけます 。
Q2. 他院でCTを撮ったことがあるのですが、データを持参すれば撮影なしで済みますか?
- 可能であればお持ちいただきたいですが、基本的には当院で再撮影をお願いしております。理由は、CT機器によって精度やデータの形式が異なることと、撮影時期から骨の状態が変化している可能性があるためです。当院のサージカルガイド(手術用マウスピース)を作製するためには、当院のCTとスキャナーで整合性の取れたデータを撮る必要がありますので、最新の状態で診断させてください 。
Q3. 骨がないと言われたのですが、CTを撮れば治療できるようになりますか?
- 治療の可能性は大きく広がります。レントゲンでは「骨がない」ように見えても、CTで立体的に見ると「一部分だけ骨が残っている」場所が見つかることがあります。また、骨が本当にない場合でも、CTで上顎洞などの形状を正確に測ることで、サイナスリフトやGBRといった骨造成手術を安全に行う計画が立てられます。諦める前にぜひ一度ご相談ください 。
Q4. CT撮影の費用は高いですか?
- インプラント治療を前提とした検査の場合、初診料や検査料に含まれる形でご案内することが一般的です。当院では、カウンセリングから診断、お見積もりの提示までを丁寧に行います。具体的な費用については、検査の内容や治療計画によって異なりますので、初診時に明確にご説明させていただきます 。
Q5. サージカルガイドは必ず使わないといけませんか?
- 当院では患者さまの安全を最優先するため、インプラント手術においては「ほぼ全てのケース」で使用しています。フリーハンド(手の手感覚)での手術は、どんなに名医でもズレが生じるリスクがあります。神経麻痺などの事故をゼロにし、計画通りの位置に埋入してインプラントを長持ちさせるためには、サージカルガイドが必要だと考えているからです 。
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